BRAF遺伝子検査
犬の泌尿器系がんを対象とした遺伝子検査です。
BRAF遺伝子という細胞間のシグナル伝達に関わる遺伝子の変異の有無を判定し、がんの可能性を評価します。
摘要 | |
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対応腫瘍 | 犬の泌尿器がん(尿路上皮癌、前立腺癌) |
適用検体 | 尿、膀胱や尿道の洗浄液、膀胱・前立腺周辺部採材組織(手術やカテーテル生検など)、未染色塗抹標本 |
報告日 | 受付日から2~5日後 |
記載項目 | 変異判定結果、コメント |
検査対象となる腫瘍
BRAF遺伝子は犬の移行上皮癌(尿路上皮癌)や前立腺癌といった泌尿器がんにおいて変異が認められる遺伝子です。
そのため犬の泌尿器がんのみが検査対象となります。
結果の判定について
変異あり → 泌尿器がんの可能性が極めて高いと考えられます。抗がん剤感受性検査を追加で行うことをお勧めいたします。
検出されず → 泌尿器系がんの可能性は低い注1と考えられます。
ご依頼方法
検体量の目安および送付方法
① 尿、膀胱や尿道の洗浄液の場合
採材後遠心分離を行い、上清を捨てて保存液を入れてご送付ください。遠心後の沈渣はチューブ底約2mm以上が目安となります。注2
② 膀胱・前立腺周辺部採材組織の場合
米粒大の組織片が目安となります。採材後保存液に入れてご送付ください。
③ 未染色塗抹標本の場合
細胞診と同様の送付方法で構いません。塗抹標本をそのままスライドメイラーなどに入れて常温でご送付ください。注3
ご依頼方法
ご送付の前に必ず検査のご予約をお電話やメール、メールフォームなどからお願いいたします。
ご予約後、上記方法で採材・保存液に浸漬したものを検査依頼書と共に弊社まで冷蔵でご送付ください。
検査依頼書には必要事項を必ずご記入の上、臨床経過・症状などできる限り詳細なヒストリーのご記入もお願いいたします。
なお検体はホルマリン浸漬しないようお願いいたします。(検査結果に影響するリスクがあります)
注意事項
注1:「変異なし」の判定の場合でも変異のないタイプの泌尿器がんも存在しますので、腫瘍の可能性を完全には否定できません。定期的な経過観察をお勧めいたします。
注2:沈渣に腫瘍細胞が含まれない場合や検体量が不足している場合は「変異なし」または「検査不能」の判定となる場合がございます。ご了承ください。
予め塗抹等をひいていただき、細胞塊が含まれていることを確認していただくことをおすすめいたします。
注3:塗抹標本を用いてのBRAF遺伝子検査は、他の検査材料に比べてやや精度が低くなります。
また塗抹から時間が経過し過ぎている場合(目安として一週間以上)検査困難になる可能性が高くなります。
予めご了承の上、ご依頼ください。